1. 今日の相談
「外部研修に出たら、30ページの資料をもらったんです。『内容を職場のみんなに共有してね』と言われてるんですけど、今日はもう夕方で……正直、最初の5ページで力尽きました」
現場のリーダーや教育担当の方から、よく聞く相談です。資料は大事なことが書いてある。読まなきゃいけないのも分かってる。でも現場の仕事をしながら30ページを精読する時間は、どこにもない。結局ざっと眺めただけで「いい研修でした」と共有して、少しうしろめたい——。
読む時間がないまま、伝える役目だけがある。ここをなんとかしたい、というのが今日の相談です。
2. 大丈夫です
ほー先輩:大丈夫やで。それにな、ひとつ言わせてや。「全部読むこと」が目的やないやろ? 目的は「大事なことを掴んで、みんなに伝えること」や。そこにまっすぐ行こ。
そうなんです。今日やるのは、資料の文章をAIに渡して「要点を5つで」とお願いすること。それだけです。
ずるでも手抜きでもありません。先に全体の要点を掴んでから、気になるところだけ原文に戻る。これは昔から言われる、いちばん賢い読み方です。AIはその「先に要点を掴む」を5分にしてくれます。
3. 今日使うAI・道具
今日使うのは1つだけです。
- ChatGPT(無料で始められます) … 長い文章から要点を抜き出してもらいます。
資料が紙の場合は、共有された元データ(PDFやWord)があるか先に確認を。文字をコピーできる形だと、そのまま貼れて速いです。
4. 実際にやってみる
順番にいきましょか。
ステップ1:資料の文章をコピーする
資料から文章をコピーします。長すぎる場合は、章ごとに分けて順番にやればOK。
ここで確認をひとつ。社外秘の資料や、個人名・事業所名が入った資料は、そのまま貼らないこと。名前は「Aさん」に置き換える、機密部分は飛ばす。迷ったら、貼る前に上司に確認するのが安心です。
ステップ2:ChatGPTに、このまま頼む
次の資料の要点を5つに絞って、箇条書きでまとめてください。 それぞれ1〜2文で、専門用語はできるだけやさしい言葉にしてください。 資料に書かれていないことは付け足さないでください。
(ここに、資料の文章を貼り付ける)
「要点5つ」と数を決めるのがコツです。数を決めないと、要約も長くなりがちです。
ステップ3:要点を読んで、気になる所だけ原文に戻る
5つの要点にざっと目を通します。「ここ、うちの現場に関係ありそう」と思った項目だけ、原文の該当ページを開いて確認。全部でなくていい。関係の深いところにだけ、あなたの時間を使います。
ほー先輩:人に配るなら、最後にもうひと目だけ。AIの要約が資料とズレてへんか、自分の目で確かめてから渡すんやで。
5. 完成例
実際にやってみると、こんなふうに変わります。(架空の研修資料の例です)
ビフォー:「安全な送迎のための研修資料」全30ページ。読了目安1時間以上。
アフター(ChatGPTがまとめた要点5つ)
1. 送迎中の事故は「出発前の確認不足」が最も多い。乗車人数と
シートベルトの確認を毎回声に出して行う。
2. 運転手だけに任せず、添乗者が確認の役割を持つ体制にする。
3. ヒヤリとした事例は小さなことでも記録し、月1回共有する。
4. ルートは事前に決め、変更するときは事業所に連絡してから。
5. 雨の日・初めての道など「いつもと違う日」ほど事故が起きや
すい。出発前にひとこと注意を共有する。
30ページが、伝えられる形の5行になりました。ここから「うちでは2と5をやろう」と話せば、共有はもう十分です。
6. 使ってみた感想
いちばん助かったのは、「読まなきゃ」という重さが消えたことです。先に全体像が見えていると、原文に戻るのも苦になりません。むしろ「ここだけ読めばいい」と分かって、読む集中力が上がりました。
良かったのはもう1つ。「やさしい言葉にして」と頼んでおくと、そのまま朝礼で読み上げられる文になることです。専門用語の言い換えを自分で考える手間が消えます。
一方で、AIの要約は、まれに強調する場所が資料とズレることがあります。人に配る・会議で使うときは、要点と原文をひと目照らしてから。「掴むのはAI、確かめて伝えるのは自分」です。
7. 今日できたこと
今日できたことを、言葉にしておきますね。
- 30ページの資料の要点を、5分で掴めた。
- 「要点を5つで」「やさしい言葉で」という数とトーンの頼み方を覚えた。
- 「要点→気になる所だけ原文」という賢い読み方が身についた。
長いマニュアルにも、行政からの通知文にも、同じ型が使えます。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:全部読むんが偉いんやない。要るとこを掴んで、ちゃんとみんなに伝えるんが仕事や。要領がええのは悪いことやないで。また長いのが来たら、いつでも持っといで。
やさしいAI仕事術