1. 今日の相談
「やることが多すぎるんです。行事の準備、提出書類、シフトの調整、頼まれた電話、あと何かあった気がする……って考えてるうちに、どれにも手がつかないまま午前中が終わってました」
忙しい人ほど陥る、不思議な状態です。やることが多いから急がなきゃいけないのに、多すぎるせいで逆に動けなくなる。頭の中で「あれもこれも」がぐるぐる回って、いちばん大事なことではなく、いちばん目についたことから手をつけてしまう。夕方になって「今日、何してたんやろ」——。
この頭の中の渋滞をなんとかしたい、というのが今日の相談です。
2. 大丈夫です
ほー先輩:大丈夫やで。まず知っといてほしいんは、頭の中だけで順番を決めるんは、誰がやっても無理があるっちゅうことや。頭は「覚えとく係」と「考える係」を同時にはできへんねん。
そうなんです。やることを頭の中に置いたままだと、「忘れないように覚えておく」だけで頭がいっぱいになり、「どれが大事か考える」余力がなくなります。
今日やるのは2つだけ。全部書き出して頭を空にする。それから、順番をAIと一緒に考える。書き出した時点で、実は半分終わっています。
3. 今日使うAI・道具
今日使うのは1つだけです。
- ChatGPT(無料で始められます) … 実際の用事を入力せず、期限・所要時間・確認先を並べる空の整理表だけを作ります。
紙とペンでも、スマホのメモでも。書き出す場所はどこでも構いません。
4. 実際にやってみる
順番にいきましょか。
ステップ1:頭の中のやることを、全部書き出す
大きいことも小さいことも、仕事もそれ以外も、思いつくまま全部。「電話1本」も「行事の企画書」も同じ1行でOK。きれいに書かない、分類しない、順番も気にしない。目安は5分。頭の中を空にするのが目的です。
書き出したリストは自分のメモまたは職場が承認したタスク管理画面で扱います。氏名・会社・顧客・案件・連絡先・日時・場所・健康・家庭・金銭・契約を含む実際の用事をAIへ渡しません。
ステップ2:ChatGPTへ空の整理表だけを頼む
実際の仕事・人・会社・顧客・案件・期限を入力せずに使える、やること整理の空の表を作ってください。 列は「作業」「確認できている期限」「およその所要時間」「待っている相手」「未確認」とします。 期限・担当・優先度を推測せず、人が記入していない欄は「要確認」と残せる形にしてください。 最後に、人が今日の三つを決めるための確認欄を付けてください。
空の表を自分のメモまたは承認されたタスク管理画面へ移し、予定表・依頼記録を見ながら人が記入します。分からない期限はAIへ答えを求めず、依頼者や責任者へ確認します。
ステップ3:「今日やる3つ」を自分で確定する
記入した表を見て、最終決定はあなたがします。「いや、これは明日でいい」「これは今日の1番や」——その感覚が正解です。決める権利と責任は、いつもあなたにあります。決めた3つだけを付箋に書いて、あとのリストは一旦閉じましょう。
ほー先輩:3つ以上は選ばんのがコツやで。3つ終わって余力があったら、リストからおかわりしたらええだけや。
5. 完成例
実際にやってみると、こんなふうに変わります。(架空の職場の例です)
ビフォー(頭の中を書き出したまま)
夏行事の企画書 送迎の変更をA社に電話 研修の申込みいつまでやっけ
月次の報告書 プリンタのインク注文 B事業所への返事
新人さんのシフト相談 救急セットの補充
アフター(空の表を使って自分で整理したあと)
【今日中に必要】
・送迎の変更をA社に電話(相手の都合があるものは早めに)
・B事業所への返事(待たせている案件)
・研修の申込み(→質問の結果、締切が明日と判明!)
【今週中でよい】
・夏行事の企画書 ・月次の報告書 ・新人さんのシフト相談
【急がない】
・プリンタのインク注文 ・救急セットの補充
★今日やる3つ:研修の申込み → A社に電話 → B事業所への返事
「あと何かあった気がする」の正体(研修の締切)が、質問の往復で見つかりました。頭の渋滞が、付箋1枚の「今日の3つ」になりました。
6. 使うときの注意
頭の中の用事を書き出すと、「覚えておくこと」と「今やること」を分けやすくなります。AIに締切や担当を質問してもらう場合も、知らない締切を推測で埋めず、「要確認」と残します。
優先順位の最終判断はAIに任せません。AIは職場の状況、相手との関係、急な変更を入力以上には知りません。たたき台はAI、決めるのは自分と分け、無理のない数だけ予定に入れます。
7. 今日できたこと
今日できたことを、言葉にしておきますね。
- 頭の中のやることを全部出して、「今日の3つ」まで絞れた。
- 曖昧な期限を「要確認」として依頼者へ戻す型を覚えた。
- 実際の用事をAIへ渡さず、決めるのは自分という距離感がつかめた。
明日の朝も、同じ5分から始められます。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:全部いっぺんには持たれへんて。まず机の上に全部出す、順番はそれから。今日の3つが終わったら、それはもう百点や。終わらんかった分は、明日のあなたに任せたらええねん。今日もおつかれさん。
やさしいAI仕事術