1. 今日の相談
「毎月、出勤表から一人ずつ出勤日数を数えてるんです。Excelに数式ってものがあるのは知ってるんですけど、調べても『COUNTIF』とか『SUMIF』とか呪文みたいで……結局いつも、目で数えて電卓で足してます」
事務のお仕事で、本当によく聞く相談です。Excelが便利なのは知っている。数式を使えば一瞬なのも、たぶん知っている。でも「どの数式を、どこに、どう書くのか」が分からない。検索して出てくる解説ページは、専門用語だらけで余計に不安になる——。
この「調べても分からない」を、なんとかしたいというのが今日の相談です。
2. 大丈夫です
ほー先輩:大丈夫やで。数式を覚えられへんのは、あなたの頭の問題やない。あれはもともと「人が覚える」より「機械が読む」ための言葉やねん。せやから、翻訳係に頼んだらええ。
そうなんです。今日から発想を変えましょう。数式は覚えるものではなく、AIに聞くもの。あなたがやるのは「やりたいこと」を日本語で説明することだけ。「A列に日付、B列に名前が並んでて、たなかさんが何回出てるか数えたい」——この説明ができれば、それで十分です。
日本語で説明できることは、全部数式にできます。
3. 今日使うAI・道具
今日使う道具は2つです。
- ChatGPT(無料で始められます) … やりたい集計を日本語で伝えて、数式に翻訳してもらいます。
- Excel … いつも使っている表のまま。買い足すものはありません。
4. 実際にやってみる
順番にいきましょか。今日は「データを貼らずに聞く」のがコツです。
ステップ1:表の形を、言葉で説明する
Excelの表そのものはAIに貼りません。代わりに「どの列に何が入っているか」を言葉にします。「A列に日付、B列に名前、C列に○か空欄」——これだけでAIには十分伝わります。
**表を貼らないので、名前や個人情報がAIに渡りません。**これがこのやり方のいちばん安全なところです。もし例を書きたいときも「たなか」「Aさん」などの架空名に置き換えてから。
ステップ2:ChatGPTに、このまま頼む
Excelでやりたいことがあります。 表の形:A列に日付、B列にスタッフの名前、C列に出勤なら「○」が入っています。データは2行目から100行目まであります。 やりたいこと:「たなか」さんの○の数を数えて、E2のセルに出したいです。 使う数式と、どのセルに入れるかを、Excel初心者向けにやさしく教えてください。
「初心者向けにやさしく」を入れておくと、専門用語の少ない説明で返ってきます。
ステップ3:数式をコピーして貼り、1つだけ検算する
返ってきた数式を、言われたセルにそのまま貼り付けます。そして大事なのが最後のひと手間。1人分だけ、目で数えて答え合わせをします。数式の結果と手で数えた数が合えば、残りの人数分は安心してコピーできます。
ほー先輩:エラーが出ても慌てんでええよ。エラーの文字をそのままChatGPTに貼って「これが出ました」と言うたら、直し方まで教えてくれるからな。
5. 完成例
実際にやってみると、こんなふうに変わります。(架空のスタッフ名です)
ビフォー:出勤表を目で追って、正の字を書いて、電卓で確認。スタッフ8人分で約30分。月に一度の憂鬱な作業。
アフター(ChatGPTが教えてくれた数式)
E2のセルに、次の数式を入れてください。
=COUNTIFS(B:B, "たなか", C:C, "○")
意味:B列が「たなか」で、C列が「○」の行を数えます。
ほかの人の分は、"たなか" の部分を名前に変えるだけです。
貼り付けて、Enterを押すだけ。1人分を検算して合っていることを確かめたら、8人分が数分で終わりました。来月からは、この数式が入ったままなので0分です。
6. 使ってみた感想
いちばん大きかったのは、「Excelに聞ける人になった」という感覚です。COUNTIFSという名前は今も覚えていません。でも困ったら聞けばいい、と分かってからは、Excelへの苦手意識が薄れました。
良かったのは、データを貼らずに「表の形の説明」だけで正確な答えが返ってくること。個人情報を守りながら使えるので、職場の表でも安心です。
一方で、検算は必ず。数式は正しくても、こちらの説明が実際の表とズレていること(データが101行目まであった、など)があります。「翻訳はAI、答え合わせは自分」です。
7. 今日できたこと
今日できたことを、言葉にしておきますね。
- 手で数えていた集計が、数式ひとつで終わるようになった。
- 「表の形を言葉で説明して数式を聞く」という、データを渡さない安全な聞き方を覚えた。
- エラーが出てもAIに貼って聞けばいい、と分かった。
合計・平均・条件つきの色分けも、ぜんぶ同じ聞き方でいけます。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:数式は暗記するもんやないで。聞き方さえ覚えたら、Excelはもう怖ない。今日のあなたは「調べても分からん人」やのうて「聞けば解決できる人」や。ええ変化やな。また詰まったら寄ってな。
やさしいAI仕事術