1. 今日の相談
「今度のミーティングの進行を任されたんです。でも会議の進め方なんて習ったことがなくて。前に一度やったときは、話があちこちに飛んで、雑談も混ざって、結局『じゃあ次回また』で何も決まらずに終わっちゃって……。時間だけ長くて、みんな疲れた顔してました」
会議の進行、よく聞く相談です。そして、うまくいかない会議のほとんどは、進行役の能力の問題ではありません。アジェンダ(進行表)がないだけです。地図なしで知らない街を歩けば迷うのと同じで、段取りなしに会議を始めれば、話は迷子になります。
この「だらだら会議」を「時間内に決まる会議」に変えたい、というのが今日の相談です。
2. 大丈夫です
ほー先輩:大丈夫やで。ええ会議と、あかん会議の違いはたった1つ。「今日は何を決める会議か」がはじめに共有されてるかどうかや。それを紙にしたのがアジェンダ。作り方は簡単やで。
そうなんです。今日作るのは「資料」ではなく「アジェンダ(進行表)」です。目的(何を決めるか)→議題(話す順番)→時間配分。この骨組みがあるだけで、会議は驚くほど締まります。
話したいことはもうあなたの頭の中にあります。それを渡して、段取りの形に組んでもらう。それだけで、迷子にならない会議になります。
※会議で使う「説明のための資料」を作りたいときは、別の記事「白紙の会議資料に5分で背骨を通す」が向いています。今日は「会議の進め方」のほうです。
3. 今日使うAI・道具
今日使うのは1つだけです。
- ChatGPT(無料で始められます) … 話したい議題を、時間配分つきのアジェンダに組んでもらいます。
できたアジェンダは、会議の冒頭でみんなに配る・画面に映すと効果が倍になります。
4. 実際にやってみる
順番にいきましょか。
ステップ1:話したいことと、条件を書き出す
「この会議で話したいこと」を思いつくまま書き出します。あわせて会議の時間(例:30分)と参加人数も。時間を伝えるのが、時間配分を作ってもらうコツです。
参加者の名前は不要です。「Aさんに報告してもらう」のように、役割だけ書けば十分です。
ステップ2:ChatGPTに、このまま頼む
次の内容で、会議のアジェンダ(進行表)を作ってください。 「この会議で決めること(目的)」を最初に置き、 議題を話す順番に並べ、それぞれにおよその時間配分をつけてください。 全体で指定した時間に収まるようにしてください。
会議時間:30分/参加者:5名 話したいこと: (ここに、ステップ1で書き出した議題を貼り付ける)
今日のコツは**「目的を最初に置いて」**と頼むこと。「今日は何を決める会議か」が先頭にあるだけで、参加者の集中がまるで変わります。
ステップ3:時間配分を見て、現実に合わせて直す
返ってきたアジェンダの時間配分を見ます。「この議題は5分じゃ足りないな」と思ったら、その感覚が正解。AIの配分はたたき台なので、現場を知るあなたが調整します。進行の主役はあくまで人です。
ほー先輩:会議中に話が脱線しても、アジェンダがあれば「その話は次の議題で」って戻ってこれる。地図があると、迷っても道に戻れるやろ? それと同じや。
5. 完成例
実際にやってみると、こんなアジェンダが返ってきます。(架空の会議の例です)
ビフォー(話したいことの書き出し)
・先月の振り返り
・夏の行事の担当決め
・備品が足りない問題
・新しい記録のやり方を共有したい
会議は30分 5人
アフター(ChatGPTが組んだアジェンダ)
【ミーティング アジェンダ】(30分)
◎この会議で決めること
・夏の行事の担当を決める
・備品不足への対応を決める
1. 先月の振り返り(5分)
2. 夏の行事の担当決め(10分)★決める
3. 備品不足への対応(7分)★決める
4. 新しい記録のやり方の共有(5分)※共有のみ
5. まとめ・次回までの宿題の確認(3分)
※「★決める」は結論を出す議題、「※共有」は報告のみ。
ただの箇条書きが、時間の見える進行表になりました。「決める議題」と「共有だけの議題」が分かれているので、どこに力を入れるかも一目瞭然。これを冒頭で配れば、5人の足並みがそろいます。
6. 使ってみた感想
いちばん効いたのは、冒頭の「この会議で決めること」でした。これを最初に読み上げるだけで、参加者の意識が「聞きに来た」から「決めに来た」に変わります。雑談が減ったのは、進行役が厳しくしたからではなく、ゴールが見えたからでした。
良かったのは、時間配分が「見える」こと。「残り5分です」と言えるようになり、だらだらの罪悪感なく会議を終われるようになりました。
一方で、アジェンダ通りに進めることが目的ではありません。大事な議論が盛り上がったら、その場で時間を組み替える柔軟さも要ります。「段取りはAI、進行の判断は人」。アジェンダは縛るためでなく、迷ったときに戻る地図として使うのがちょうどいいです。
7. 今日できたこと
今日できたことを、言葉にしておきますね。
- だらだらしがちな会議に、5分でアジェンダ(進行表)が用意できた。
- 「目的を先頭に・時間配分つきで」というアジェンダの型を覚えた。
- 「決める議題」と「共有の議題」を分ける考え方が身についた。
朝礼も、面談も、打ち合わせも、同じ型で段取りできます。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:会議の値打ちは、長さやのうて中身や。段取りさえ決まってたら、短うてもええ会議になる。終わりの時間を守れる会議は、みんなに好かれるで。次の進行、きっとうまくいくわ。また寄ってな。
やさしいAI仕事術