1. 今日の相談
「保護者の方から来る質問って、けっこう同じなんです。『欠席のときはいつまでに連絡すればいいですか』『持ち物はどこに書いてありますか』とか。なのに毎回、返事をゼロから考えて、書いては消して……。この前は同じ質問に、先週と違うことを答えてないか不安になりました」
福祉や保育の現場、お店の窓口で、本当によく聞く相談です。よくある質問ほど、実は答えにくい。ちゃんと答えたいから丁寧に書く、丁寧に書くから時間がかかる、時間がかかるから返信が遅れて焦る。そして一番怖いのは、人や日によって答えがブレること。
この「毎回ゼロから」を今日で終わりにしたい、というのが今日の相談です。
2. 大丈夫です
ほー先輩:大丈夫やで。まず、ええこと言うたるわ。同じ質問が何回も来るっちゅうことは、答えを「型」にできるっちゅうことや。型にできる仕事は、今日で楽になるで。
そうなんです。よくある質問への答えは、毎回の作文ではなく「ひな型」にしておくのが正解です。今日やるのは、あなたの頭の中にある「いつもの答え」を吐き出して、AIに読みやすいひな型へ整えてもらうこと。
一度作れば、次からはコピーして少し直すだけ。返信は速くなり、誰が答えても内容がそろいます。
3. 今日使うAI・道具
今日使うのは1つだけです。
- ChatGPT(無料で始められます) … 走り書きの「いつもの答え」を、そのまま使える丁寧なひな型に整えてもらいます。
できたひな型は、メモアプリや共有ファイルなど、職場のみんなが見られる場所に置くと効果が倍になります。
4. 実際にやってみる
順番にいきましょか。
ステップ1:よくある質問を3つ選ぶ
まずは欲張らず3つ。この1週間で実際に聞かれたものから選ぶのがコツです。それぞれに「いつも自分がどう答えているか」を走り書きで添えます。きれいな文章にしなくて大丈夫。
ここでいつもの約束を。実際の問い合わせ文を貼る場合は、名前や子どもの情報を「A様」「お子さん」に置き換えてから。質問の内容だけあれば、ひな型は作れます。
ステップ2:ChatGPTに、このまま頼む
次の「よくある質問」と「いつもの答え方」をもとに、 保護者向けの回答文のひな型を作ってください。 丁寧でやわらかく、短めの文章にしてください。 日付や名前など、毎回変わるところは( )にしてください。 答え方に書いていないルールは付け足さないでください。
【質問1】(質問と、いつもの答えの走り書き) 【質問2】(同上) 【質問3】(同上)
コツは**「毎回変わるところは( )に」**の一文。これでひな型が「穴埋め式」になり、次から使うときに直す場所が一目で分かります。
ステップ3:内容を確認して、責任者にひと目通す
返ってきたひな型を読んで、ルールの中身が事業所の決まりと合っているかを確認します。連絡の期限や約束ごとは、あなたの職場にしか正解がありません。そして配る前・共有する前に、責任者にひと目。答えを「公式の型」にする瞬間なので、ここだけは省略しないでください。
ほー先輩:ひな型の言葉づかいはAIでええけど、ルールの中身はあなたの職場のもんや。最後のひと目が、この型に「公式」の判子を押すんやで。
5. 完成例
実際にやってみると、こんなひな型ができます。(架空の事業所の例です)
ビフォー(いつもの答えの走り書き)
欠席連絡→当日朝10時まで 連絡帳かLINE どっちでもOK
おやつ代は月末にまとめて 現金じゃなくて口座
持ち物は月のおたよりに書いてる 水筒だけ毎日
アフター(ChatGPTが整えたひな型・1つめ)
【欠席のご連絡について】
いつもありがとうございます。
お休みのご連絡は、当日の朝10時までに、連絡帳またはLINEにて
お知らせいただけますと幸いです。
急なご体調の変化などの場合は、時間を過ぎていても
かまいませんので、ご遠慮なくご連絡ください。
( )月( )日の件、承知いたしました。
お大事になさってください。
走り書き1行が、そのまま送れる形になりました。3つ分で15分ほど。次に同じ質問が来たら、( )を埋めるだけです。
6. 使ってみた感想
いちばん変わったのは、返信のスピードよりも安心感でした。「前と違うことを答えてないかな」という不安が消えます。型があるというのは、こんなに心が軽いのかと。
良かったのは、ひな型づくりの過程で「あれ、このルールって決まってたっけ?」という曖昧な点が見つかること。FAQづくりは、職場のルールの棚卸しにもなります。
一方で、すべての問い合わせが型で済むわけではありません。個別の事情がある質問には、これまで通り一件ずつ向き合う。型に頼るのは「いつもの質問」だけ。その線引きも、現場を知るあなたの仕事です。
7. 今日できたこと
今日できたことを、言葉にしておきますね。
- よくある質問3つに、そのまま使える回答のひな型ができた。
- 「毎回変わるところは( )に」という穴埋め式の頼み方を覚えた。
- ルールの確認と責任者のひと目を通す、公式化の手順が身についた。
来週また1つ質問が増えたら、同じやり方で型に足していけば大丈夫です。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:同じ質問が何回も来るんは、それだけみんながあなたを頼りにしてる証拠やで。答えを型にして、浮いた時間は目の前の人に使ったらええ。答えの型は、未来のあなたへの贈り物や。また増えたら持っといで。
やさしいAI仕事術