1. 今日の相談
「お客様への案内文をAIに直してもらいたいのですが、実名や金額が入った文章をそのまま貼っていいのか、いつも手が止まります」
その手前で止まるのは大切です。最初に、何の目的で使うか、どのデータを入れるか、どの端末・アカウント・サービスを使うかの三つを分けて確認します。
名前だけを伏せても、日時や所属、出来事の組み合わせから相手が分かることがあります。置き換えは安全を保証する操作ではありません。
2. 大丈夫です
ほー先輩:手が止まったら、まず「職場で使ってよいか」「この内容を外部サービスへ送ってよいか」を確かめよ。
ダミー置換は、許可されていない実データを入力可へ変える操作ではありません。情報量や職場の手順によって必要な時間は変わるため、速さより三つの許可を優先します。
3. 今日使うAI・道具
使うのはChatGPTと、入力可否を整理する紙(または職場で承認されたメモ)です。
職場がAIサービスを認めていても、顧客データ・人事情報・未公開資料等をその目的で入力できるとは限りません。迷う場合は入力せず、情報管理担当・責任者へ確認します。
4. 実際にやってみる
1. 利用ルールと入力範囲を確認する
職場で利用を認めたサービスか、入力データの取扱いを確認したか、個人情報・機密情報を入力してよいかを責任者へ確認します。認められていない場合は入力しません。
2. 目的・データ・環境を分ける
「文章を整えるため」「顧客名を含む案内文」「個人アカウントの外部AI」のように三つを書き分けます。一つでも許可が不明なら、実データを入力しません。
3. 入力可否の確認表だけを作る
AIへ入力する前の確認表を作ってください。
列は「利用目的」「データの種類」「利用環境」「各確認者」「許可状態」「入力しない情報」「代替手段」にしてください。
実在情報は入力せず、状態は「許可済み/禁止/未確認」で示してください。
未確認を許可済みに変えず、最後に「三つが許可済みになるまで実データを入力しない」と添えてください。
4. 実在情報との対応表を作らない
架空例の練習に、実在情報とダミーの対応表は不要です。実務上どうしても対応表が必要なら、職場の正式手順・保存先・アクセス権・削除時期に従い、AI工程から外します。
5. 架空条件で相談し、出力を下書きとして扱う
「人物Aへの架空の金額変更案内(1,000円→1,200円)を、確認事項が分かる文面にしてください」のように、実在しない条件で型を作ります。置き換え方によって文脈や出力は変わるため、元の事実・制度・金額と人が照合します。
実務文へ反映するときは、検索機能だけの一括置換に頼らず、宛先・事実・数字・ダミーの残存を一項目ずつ確認します。
5. 完成例
【AI入力前の確認表】
利用目的:案内文の文型練習
データ:実務と無関係な架空例だけ
環境:職場指定アカウント
許可状態:目的/データ/環境を各確認
未確認時:紙または承認済み文書で作業
入力しない:実名、連絡先、識別番号、認証、要配慮情報、未公開情報
近い場面の記事として、AIに個人情報を入力しないためにもあります。
6. 使うときの注意
置き換えても、文章の内容そのものから相手が特定できる場合があります。単に名前を記号へ変えただけで、法律上の匿名加工情報になったと判断しません。個人情報保護委員会は、生成AIへ個人情報を入力する場合、利用目的の範囲やサービス提供者による取扱いなどを確認するよう注意喚起しています(生成AIサービスの利用に関する注意喚起)。
パスワード、認証コード、秘密鍵、未公開情報、要配慮情報、職場が入力を禁じる情報は、置き換え表の有無にかかわらず入力しません。迷った場合は責任者・情報管理担当へ確認します。
7. 今日できたこと
- 職場のAI利用ルールと入力可能な範囲を確認できた。
- 利用目的・データ・環境の三つを分けて確認できた。
- 架空条件で作った下書きを、元資料と人が照合する流れを用意できた。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:名前をAさんに変えても、入力の許可にはならへんで。目的・データ・環境の三つがそろうまで、架空例だけにしよな。
やさしいAI仕事術