1. 今日の相談
「ChatGPTに聞いたら、すごくそれっぽい答えが返ってきました。でも読んでいるうちに、『あれ、これ本当に合ってるんかな』って不安になって。自分で判断できない内容もあるし、そのまま使って間違っていたら怖いです」
AIを使い始めると、かなり早い段階でこの場面に出会います。答えは速い。文章もきれい。だけど、それっぽいことと、正しいことは別です。「AI 間違い」や「ChatGPT 間違い」が怖くなるのは、自然な反応です。
今日やるのは、AIの答えを主張・根拠・確認先へ分け、AIとは独立した資料で確かめることです。同じAIへ「合っていますか」と聞き返すだけでは、最初の誤りを繰り返すことがあります。
2. 大丈夫です
ほー先輩:大丈夫やで。「なんか変かも」と思えた時点で、あなたはもうAIに振り回されてへん。ちゃんと自分の目で見てる証拠や。今日は、その違和感の扱い方を覚えよか。
そうなんです。AIの答えは、ときどき間違います。しかも、間違っているのに文章だけは自然なことがあります。だから、AIを使うときは丸のみしないのが基本です。AIの答えが変だと感じたら、その感覚を大事にして大丈夫です。
見る場所と、確認できなければ止める範囲を先に決めます。
- 数字
- 日付
- 名前
- ルール
- 専門的な判断
- 自分が書いていない情報
- 引用やURL
- 医療、法律、税務、労務、安全、契約等の影響が大きい判断
このあたりが出てきたら、ひと呼吸置いて確認します。
3. 今日使うAI・道具
- AI … 返ってきた答えを主張単位へ分ける補助に使います。
- 元資料・公式情報 … 主張を独立して確認します。
- 職場の担当者・専門窓口 … 影響が大きい判断や職場固有の条件を確認します。
確認に使うAIへ、個人情報・機密情報を含む回答をそのまま貼りません。入力可否を先に確認します。
4. 実際にやってみる
そのまま真似できる手順です。いきましょか。
ステップ1:答えを使う場面と影響を決める
私的なアイデア、社内の下書き、顧客への案内、契約・安全判断では必要な確認の重さが違います。間違った場合の影響が大きいほど、確認できるまで使いません。
ステップ2:主張・根拠・未確認へ分ける
入力してよい答えだけを、次の型で整理します。
次のAIの答えを、そのまま使う前に確認したいです。 ①確認できる主張、②数字・日付・固有名詞・引用、③示された出典、 ④推測や一般論、⑤私が入力していない情報、⑥影響が大きい判断、 ⑦確認できなければ使わない箇所、へ分けてください。 正しいと判定せず、URLや書名を新しく作らず、不明は未確認としてください。
(ここに、AIの答えを貼る)
この作業は確認箇所を整理するだけです。AIの自己評価は、正しさの証拠にしません。
ステップ3:独立した一次資料を開く
出てきた確認ポイントを見て、必要なものだけ確かめます。
- 日付や曜日 → カレンダーと元の予定
- 制度や手続き → 所管官庁の現行ページ・原文
- 製品やサービス → 提供者の最新公式仕様
- 社内ルール → 正式規程と担当者
- 数字・引用 → 元の資料の該当箇所
検索結果の要約やAIが示したURL名だけで終えず、ページ本文、公開・更新日、対象者、例外を確認します。出典が存在しない、古い、対象外なら根拠にしません。
ステップ4:確認済み・未確認・採用しないを残す
確認した日、資料名、該当箇所を残します。確認できない主張は「未確認」のままにし、外部向け案内や判断へ使いません。
ほー先輩:AIには確認箇所を並べてもらえる。でも確認そのものは、元の資料を開いてやるんやで。
5. 完成例
実際にやってみると、こんな感じです。(架空の内容です)
ビフォー(AIの答え)
保護者向けのお知らせでは、提出期限を7月15日(月)とし、
必要書類は申請書と本人確認書類の2点です。
提出が遅れた場合は受付できない可能性があります。
確認メモへ分ける
この文章の主張、数字、元資料で確認すること、
確認できなければ使わない箇所を分けてください。
正しいとは判定せず、出典を作らないでください。
整理後に独立資料で確認
・7月15日の曜日 → 対象年のカレンダーと正式予定
・必要書類2点 → 元の案内の該当箇所
・期限後の扱い → 職場の正式ルールと担当者
・「受付できない可能性」→ 元資料にないため採用しない
これで、「使ってよさそうな文章」から「どこまで確認できたか分かる文章」に変わりました。確認できない箇所は削除・保留し、推測で埋めません。
6. 使うときの注意
経済産業省等の「AI事業者ガイドライン 第1.2版」は、AIの出力品質が想定精度に達しない、または変動し得る特性を踏まえ、リスクに応じた人間の関与、記録、検証可能性を確保する考え方を示しています。
大事な判断をAIだけで済ませません。医療、法律、お金、契約、制度、職場の正式ルールは、AIの答えを参考にしても、最後は公式情報や担当者に確認します。下書きはAI、確定は人。この線引きが、安心して使うための土台です。
確認した答えを社外メールや案内文へ使う場合は、送信前の六つのチェックで、宛先、約束、機密情報、添付まで仕上げられます。
7. 今日できたこと
今日できたことを、言葉にしておきますね。
- AIの答えを主張・根拠・未確認へ分けられた。
- 同じAIへの聞き返しと、独立した確認を区別できた。
- 元資料の本文・日付・対象範囲を確認し、未確認を残せた。
AIを信じるか、疑うか。どちらか一つではありません。どこまで確認できたかを残してから使うことが大切です。
8. ほー先輩の一言
ほー先輩:AIに聞き直した答えも、まだAIの答えや。元の資料を自分で開いて、確認できん所は止めよな。
やさしいAI仕事術